今回はイスラームの成り立ちについて。
イスラム教の成り立ちといえばアラビア半島でムハンマドが興したというのが一般的な解釈としてあります。
しかしイスラームの視点だと少し違った面白い解釈をしています。
まずは簡単に一般的な成り立ちから書いていきます。
イスラームの基本的なことについてはこの記事。
イスラームの成り立ち。
このムハンマドは570年頃アラビア半島のメッカで生まれました。
メッカは現在のサウジアラビアにあります。
この当時のアラビア半島は血縁によって結ばれたたくさんの部族の抗争が絶えませんでした。
またムハンマドが生まれたメッカを含む西部は大小さまざまなオアシス都市がありました。
ムハンマドは商人として暮らしていたが40歳の頃神の啓示をうけます。
そこからメッカで布教活動を始めますが当時のメッカは多神教なのに加えて富を独占していた支配者層からの反感を買い迫害の危機になります。
そこでメディナへ行きそこで信仰で結ばれた共同体を作りとしてメディナ憲章をつくりました。
これはメッカからの移住者とメディナの住民が一つの共同体として助け合って暮らすための規範です。
その後メッカのクライシュ族という一族とユダヤ教徒のナディール族という一族との戦い(ジハード)を経てアラビア半島を統一しました。
こうしてイスラームがアラビア半島で定着していったというのが一般的なイスラームの成り立ちです。
イスラーム的視点のイスラームの成り立ち。
イスラームの視点から見ると同じ神を信仰しているユダヤ教もキリスト教もイスラームだったという解釈をします。
つまりイスラームはムハンマドが生まれる前からあったという考え方です。
ではいつイスラームはできたのか。
それは地上に預言者が現れ神の啓示を聞いたときです。
なのでイスラームの啓典のコーランにはモーセもイエスも預言者として記されており、この二人を含む預言者たちはイスラームの預言者であるという考え方です。
ムハンマドは神の言葉をそのまま伝えた預言者という解釈です。
しかしモーセやイエスは当時のユダヤ人たちの状況に応じた形で神の法を説いた預言者という解釈をしています。
つまりムハンマドは神の言葉をそのまま伝えたのに対してモーセやイエスは神の言葉をそのときの状況や情勢に応じて自分なりの解釈で伝えたということです。
そしてムハンマドは最後の預言者であり神が最後に選んだのだから最大の預言者であるというのがイスラーム的な預言者の見方なのです。
それは預言者が興したものではなく後世の人間がつくったものというのがイスラーム的な考えかたです。
まとめ
イスラームはもともとあってそれを形にしたのがムハンマドというイスラーム的な視点の考え方。
キリスト教文化の欧米諸国とそれに影響を受けている日本では考えられないような視点です。
宗教間で様々な解釈の仕方があって、さらには一つの宗教の中にも様々な解釈があります。
今回書いたイスラーム的な考え方というのも一つの解釈です。